だったらあんたが堕ちてくれ

「だって自分の名前も分からないんでしょ?それって記憶喪失以外の何ものでもなくない?すごい!記憶喪失の人なんか初めて見た!」

食い気味の妹から一拍おいて、おもむろに女が口を開く。

「そうかも。だからここに居させてくれないかな?」

はあ?

「いやいや、ちょっと待ってください。もし仮に記憶喪失なんだとして、家に居るよりも警察に保護してもらったほうが良くないですか?」

父さんナイス!

その通りだ。

こんなやばい女、長居は無用。

早く追い出すに限る。
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