だったらあんたが堕ちてくれ

「嫌」

「はあ?なんでだよ?とっとと警察に保護してもらえよ!」

女の視線が、まさに突き刺さるように俺に向けられる。

「……ったほうがいいに決まってますよ」

「い、や」

いの形、あの形を作る唇がやけに艶っぽい。

じゃなくて!

いよいよ怪しい。

警察が嫌なんて、絶対何か裏がある。

「なんでだ……ですか。警察に任せたほうが何かわかるかも知れないし、おば……お姉さんだって安心でしょう?」

「嫌だって言ってんの」

あーもう。

なんなんだよ、この女。
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