だったらあんたが堕ちてくれ


次の日も図書館に向かった。

朝起きて。

皆で朝飯を食って。

十時に家を出て。

全く同じルーティン。

一つイレギュラーだったのは図書館の入り口に柴崎が立っていたのだ。

「おはようございます!」

膝上のワンピースをなびかせ雛鳥のように駆け寄ってくる。

眼前で止まりくるりと一回転。

見えそうで見えない絶妙な丈。

「これ、昨日買ったんです。どうですか?」

「あ、うん。似合ってる」

「可愛いですか?」

「うん。可愛い」
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