だったらあんたが堕ちてくれ
捨てられてボロボロになった三匹を、放っておくなんてことできなかった。
どうにかして助けてやりたいと思って、拾った。
「でも、椿は違うからな」
温度のない瞳がまっすぐに俺を射る。
真っ直ぐに、揺らぎもせず、その瞳に映し出す。
「俺は椿を拾ったつもりなんてないし、ましてや情なんて絶対にわかない。だから、気が済んだら、いつでも出ていってくれて構わないから」
ふんっと鼻を鳴らして、その顔に冷笑を浮かべる。
それは笑いに含んでいいのか甚だ疑問な、本当に冷たいものだった。
「でも、あんたの家族はあんたが私を拾ったって思ってるみたいだったけど。私もそう思う。私はあんたに拾われたの。命を拾ったんだから、ちゃんと責任持ってよね」
そんな呪いの言葉を言い残して、椿は客間へと消えていった。