だったらあんたが堕ちてくれ
「はいお茶。それにしても柊の拾い癖にも困ったものね」
淹れたての熱いお茶が、そのまんまの温度を保って喉を通過する。
「あちい!」
「何してるのよ。淹れたばかりなんだから熱いに決まってるじゃない。気をつけて飲みなさいよ」
ヒリヒリと痛む喉を労わりながら、それでもこれだけはと念を押す。
「何回も言ってるけど、俺はあんな女拾ってないからな。追いかけられたんだって。本当怖かったんだから」
「経緯はどうであれ、結果として柊が連れてきたことに変わりないでしょ。家だってお金持っちって訳じゃないんだから、そこを考えて行動しなさい」