だったらあんたが堕ちてくれ

「そのはずだったんだけどね。なんか、嬉しかったことの方が多かったみたい。

馬鹿みたいだよね。人様に迷惑かけて、あんなに自暴自棄になってたのに。

それでも離れてみて思い出すのは嬉しかったことばかりなんだもん。

それって全部、あなたがくれた物だよ?

気に止めてくれたのも、声をかけてくれたのも、手を差し伸べてくれたのも、隠すことをしないで好意を向けてくれたのも全部あなた。

あなたがいたから、“椿”も“倉留莉香”も堕ちずにいられた。

ありがとう。私はあなたから受け取ったよ。ちゃんと貰ったよ。

それよりどうしたの?なんか落ち込んでるようだったけど?」
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