だったらあんたが堕ちてくれ
「ああ。うん。就活がさ、上手くいかなくて」
「そっか。じゃあ私がコツを教えてあげる。私はさっき採用の連絡来たとこだから」
「ずりー。でも、そういうことなら、お願いします」
「じゃあ行こう」
「え?どこに?」
「私の家。ここから近いんだ」
「え?」
戸惑った顔をして、だけどその人はにっこり微笑んだ。
止まってた時間が動き出す。
それは背中を押し、続く未来に、私たちを誘っているみたいだった。