だったらあんたが堕ちてくれ

たった一晩で酷使され過ぎた頭を抱えて、まだ水曜という事実に、俺の頭はもうショート寸前だ。

なのに椿は寝ている。

温かい布団に包まれて、いまなお惰眠を貪っている。

「お兄ちゃん、おはよー」

うがいをしていると妹が現れる。

その表情は期待に輝き、生き生きとしている。

「椿さん、今日はどうするんだろうね?私たちは学校だし、お父さんたちは仕事だし」

俺の脇から歯ブラシを抜き取り、手にした歯ブラシを口に運んで「うっ」唸る。
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