だったらあんたが堕ちてくれ

「うわ!脅かすなよ。俺はいまものすごくナイーブなんだ。頼むからこれ以上トラウマを植え付けないでくれ」

「意味分かんないし。いいからどいてよ、早く流さないと私の貴重な水分が石鹸に吸い取られる」

貴重なって……それでいくと母さんはもう干からびてるってことか?

そもそも朝から石鹸で顔を洗う必要なんかあるか?

嫌な疑問点から目を逸らすように、そんなどうでもいいことを考えながら着替えを済ませた。

着替えを済ませて、せっかく持ち帰ったのに手をつけずに終わった教科書が詰め込まれた鞄を玄関に置いてからリビングに入る。

「おはよう」
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