だったらあんたが堕ちてくれ

「なんで椿に財布渡すんだよ」

「だって、学校に大金持っていくなんて無用心じゃない。どうせ二人で行くんだから、椿ちゃんが持ってれば安心でしょ?」

「他人に財布持たせるほうが無用心だよ!なあ父さん!」

「他人て、一応いまは家族の一員だろ?問題ないんじゃないか?」

受け取った財布を脇に置いて、椿はパンを齧っている。

父さんも母さんも妹も、各々が食事を始める。

なんだ?

俺がおかしいのか?

整理のつかないまま、今日一日のエネルギーを乱暴に体内へ流し込んだ。
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