だったらあんたが堕ちてくれ
テスト前でストレスの溜まった同級生たちにとって俺の纏う臭いは格好の獲物だった。
笑い者にされ、半ばヤケクソ気味に自分からもいじられにいって、一緒になって笑い合った後、更衣室に向かいながら「なんか臭くない?」の一言に、今日は散々な一日だったと思い知らされた。
「本当だ。なんか臭い」
すれ違ったのは入れ替わりで体育館に向かう上級生の女子で、同じ「臭い」でも女子に言われるとその破壊力たるや凄まじかった。