新宿ゴールデン街に潜む悪魔
最後の犯行
響は黒いエナメル質のつばの大きな帽子を購入する。50個目だ。
そして巣鴨の漫画喫茶に行く。
アメリカンスピリットに火をつける。これまでの犯行とここ五年のことを思う。
いよいよだ。
宣戦布告の時は来た。
パソコンで自分のメール画面を出す。今回はSNSではない。メールだ。
荻野のメールアドレスを打ち込む。
そして
「今日あなたを裁きます」
と書き込んだ。深く呼吸をしてから送信する。
迷惑メールと思うだろうか。それとも自分の悪事がバレたかと思い怯えるだろうか。後者はないだろう。
しかしこのメールを送ったことで警戒心は強まるかもしれない。
最後の儀式を終え、偽造会員証にハサミを入れて捨てる。もう使うことはないだろう。
やっとだ。
やっとたどり着いた。
この手でヤツを裁くのだ。
仲間もできた。
心理を読むことができるマスコミと
柔道三段の探偵と。
頼もしい。
居場所も分かった。
弱みも握った。
脅すためとはいえよくもまあペラペラと自分の素性を言ったものだ。
響はボイスレコーダーを握りしめる。
母さん、もうちょっとだよ。
そして巣鴨の漫画喫茶に行く。
アメリカンスピリットに火をつける。これまでの犯行とここ五年のことを思う。
いよいよだ。
宣戦布告の時は来た。
パソコンで自分のメール画面を出す。今回はSNSではない。メールだ。
荻野のメールアドレスを打ち込む。
そして
「今日あなたを裁きます」
と書き込んだ。深く呼吸をしてから送信する。
迷惑メールと思うだろうか。それとも自分の悪事がバレたかと思い怯えるだろうか。後者はないだろう。
しかしこのメールを送ったことで警戒心は強まるかもしれない。
最後の儀式を終え、偽造会員証にハサミを入れて捨てる。もう使うことはないだろう。
やっとだ。
やっとたどり着いた。
この手でヤツを裁くのだ。
仲間もできた。
心理を読むことができるマスコミと
柔道三段の探偵と。
頼もしい。
居場所も分かった。
弱みも握った。
脅すためとはいえよくもまあペラペラと自分の素性を言ったものだ。
響はボイスレコーダーを握りしめる。
母さん、もうちょっとだよ。