新宿ゴールデン街に潜む悪魔
待ち合わせ
コンビニを下見に行くと言って響が指定した待ち合わせ場所は、北赤羽駅にある天使のようなオブジェの前だった。
「はよ来すぎたかな?」
まず到着したのは村岡だった。朝6時半。
路上喫煙禁止と書かれている目の前で煙草に火をつける。
待ち合わせ時間は6時45分だったか。
3本目のショートホープをくわえた時、誰かに肩を叩かれた。
「どうもー」
端正な顔立ちのストレートのロングヘアーの男だった。つばの大きい帽子を被っている。
「え?どちらさん?」
「誰でしょう?」
「あ!ヒビちゃんか!なんや?今日は変装しとんのか?髭はどうしてん?」
「びっくりしました?あれはつけ髭ですよ。逆に変装してるのはゴールデン街にいる時だけです」
「三つ編みでもないし、ヒビのメイクもないし、ほんま誰かわからんかったわー。でもなんでゴールデン街ではあんな格好してんねん?」
「ハロウィンのなごりですかね。あの格好で覚えられちゃったんで止めるに止められなくて」
嘘だった。ゴールデン街であの出で立ちなのには別の意味がある。
「そーなんかいなー。毎日めんどくさない?」
「慣れましたよ。あ、この変装のことは香以外には内緒ですよ」
「なんで?」
「なんでも」
「あー、よーわからんけどわかった」
そこに香がやってきた。
「ヒビちゃーん!おはよー!あ、村さんも、おはよー!」
村岡は何の躊躇いもなく香がヒビちゃんと言ったことに驚く。
「こいつがヒビちゃんやってよー分かったな」
「当たり前じゃん。つけ髭って分かってたし、ちょっと猫背なあたりとかヒビちゃん丸出しじゃん。遠くからでも分かるよ」
香は嘘を見抜く。バレていることは初めから知っていた。観察する能力がずば抜けて高い。だから仲間にしたのだ。
「ってゆーかヒビちゃん今日もお洒落だね。いつも違う服着てる」
「ありがとう。服を買うくらいしか趣味はないんだ」
毎回服が違うことにもお洒落以外の意味があったがそれも黙っておくことにした。
「じゃー行こうかヒビちゃん。ムカつく店探しに」
「わざわざムカつく店を探しに行く人間は地球上で俺たちくらいだな」
「はよ来すぎたかな?」
まず到着したのは村岡だった。朝6時半。
路上喫煙禁止と書かれている目の前で煙草に火をつける。
待ち合わせ時間は6時45分だったか。
3本目のショートホープをくわえた時、誰かに肩を叩かれた。
「どうもー」
端正な顔立ちのストレートのロングヘアーの男だった。つばの大きい帽子を被っている。
「え?どちらさん?」
「誰でしょう?」
「あ!ヒビちゃんか!なんや?今日は変装しとんのか?髭はどうしてん?」
「びっくりしました?あれはつけ髭ですよ。逆に変装してるのはゴールデン街にいる時だけです」
「三つ編みでもないし、ヒビのメイクもないし、ほんま誰かわからんかったわー。でもなんでゴールデン街ではあんな格好してんねん?」
「ハロウィンのなごりですかね。あの格好で覚えられちゃったんで止めるに止められなくて」
嘘だった。ゴールデン街であの出で立ちなのには別の意味がある。
「そーなんかいなー。毎日めんどくさない?」
「慣れましたよ。あ、この変装のことは香以外には内緒ですよ」
「なんで?」
「なんでも」
「あー、よーわからんけどわかった」
そこに香がやってきた。
「ヒビちゃーん!おはよー!あ、村さんも、おはよー!」
村岡は何の躊躇いもなく香がヒビちゃんと言ったことに驚く。
「こいつがヒビちゃんやってよー分かったな」
「当たり前じゃん。つけ髭って分かってたし、ちょっと猫背なあたりとかヒビちゃん丸出しじゃん。遠くからでも分かるよ」
香は嘘を見抜く。バレていることは初めから知っていた。観察する能力がずば抜けて高い。だから仲間にしたのだ。
「ってゆーかヒビちゃん今日もお洒落だね。いつも違う服着てる」
「ありがとう。服を買うくらいしか趣味はないんだ」
毎回服が違うことにもお洒落以外の意味があったがそれも黙っておくことにした。
「じゃー行こうかヒビちゃん。ムカつく店探しに」
「わざわざムカつく店を探しに行く人間は地球上で俺たちくらいだな」