たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
*****
いつものようにエルンストが帰宅し、フィーアは湯殿でエルンストの背中を流していた。
「背中を洗え」「はい」型どおりの会話しかここまでしていない。
と、言うより心ここにあらずのフィーアを見てエルンストが話しかけるのをためらっていた。
どうも様子がおかしい?考え込むエルンストだったが、無言で手を動かしているフィーアにため息と共に口を開いた。
「自室に帰ったら、今日は夜着に着替えずに私服で待っていろ」
エルンストが話しかけたにもかかわらず、返事がない。
「おい、聞いているのか?」
「えっ?」
「皆が寝静まったら、二人で屋敷を抜け出すから夜着ではなく私服でいろ」
いったいどうしたのだ?そんな顔で振り向くとフィーアに視線を送る。
「あの、朝食の仕込みに時間がかかるみたいで」
「構わん。待っている」
「それに私、今日洗濯が沢山あって疲れているので止めておきます」
感情に押し流されてしまったことをフィーアは後悔していた。
私たちに未来はない。フィーアは胸の前でギュっと手を握った。
完全に疑心暗鬼に囚われていた。
いつものようにエルンストが帰宅し、フィーアは湯殿でエルンストの背中を流していた。
「背中を洗え」「はい」型どおりの会話しかここまでしていない。
と、言うより心ここにあらずのフィーアを見てエルンストが話しかけるのをためらっていた。
どうも様子がおかしい?考え込むエルンストだったが、無言で手を動かしているフィーアにため息と共に口を開いた。
「自室に帰ったら、今日は夜着に着替えずに私服で待っていろ」
エルンストが話しかけたにもかかわらず、返事がない。
「おい、聞いているのか?」
「えっ?」
「皆が寝静まったら、二人で屋敷を抜け出すから夜着ではなく私服でいろ」
いったいどうしたのだ?そんな顔で振り向くとフィーアに視線を送る。
「あの、朝食の仕込みに時間がかかるみたいで」
「構わん。待っている」
「それに私、今日洗濯が沢山あって疲れているので止めておきます」
感情に押し流されてしまったことをフィーアは後悔していた。
私たちに未来はない。フィーアは胸の前でギュっと手を握った。
完全に疑心暗鬼に囚われていた。