たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
「女とは理解できない生き物だな」

シュバルツリーリエの兵舎食堂でのこと。


昼食はいつもここで取っているエルンストだった。

話の相手はファーレンハイト中将だ。


「珍しいですね、閣下が女性問題でお悩みですか?」


「それほど大袈裟ではない」

皿の上に転がるポテトを忌々しそうにフォークで突き刺す。



「おやおや、ポテトは憎っくき女性と言うわけですか?」


「からかうなファーレンハイト。俺はお前のように女を相手にして生きてきたわけじゃない」


「お察ししますよ、閣下」


金で言いなりになる娼婦を相手にしてきた結果だと言いたげだった。

確かに女と心を通わせたことなど一度もない。

完全に俺をバカにしているな。エルンストはファーレンハイトをにらむ。





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