たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
すると、


ふわ......ふわ.....。


あちらこちらで黄緑色の小さな光が点滅を始める。



最初は遠くで光っていたものがいつしか近くでも。



これは.....蛍?


「お前の髪にもとまっているぞ」


小声でエルンストがつぶやく。


エルンストを見るとその頭にも小さな光が点滅していた。


「ご主人様の髪にも」

フィーアが答える。

書物では読んだことがあるが、実物を見たのは初めてだった。


本当にこんな美しい生き物がいるなんて....。


フィーアは感激していた。

ぼぅと闇に浮かび上がる光は幻想的で、この世のものではないかと思うほどだ。

そこは見事な蛍の丘だった。
< 165 / 296 >

この作品をシェア

pagetop