たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

美しいフィーアの肢体は月明りに照らされて、白いシーツの上に横たわっている。


「怖いのか?」



フィーアは目を伏せて答えない。


わずかに震えるからだは心とは裏腹に冷たく、熱を求めているようだ。



「体の力を抜いて、あとは俺に身をゆだねていればいい」




エルンストの冷めやらぬ熱い唇と指先はフィーアを愛し続けた。




「あっ......」




フィーアの漏らした声は二人が一つになった瞬間だった。




静かな月の夜。




< 206 / 296 >

この作品をシェア

pagetop