たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
「あまり時間がないので、私ものんびりと尋問するわけにはいかんのだ」
女のあごをつかむと、自分の顔を近づける。
「白状しなくても構わんよ。いずれ身元は分かる。さすればそなたに関わる一族郎党皆殺しだ。何故なら罪状は皇妃暗殺未遂。ただでは済まん」
職務を遂行するエンストの姿にフィーアは驚いた。
屋敷で不愛想にしていても、『皆殺し』などとそんな物騒な言葉を聞いたことがない。
冷徹で鋭い視線を女に向け、情け容赦ないとばかりに話しかけている。
目の前にいるエルンストは明らかに別人だった。
「だがっ」エルンストは女のあごをつかむ手に力を込めた。
「正直に話せば助けてやらないこともない。見たところ、そなたまだ10代であろう。むやみに命を無駄にすることはない」
エルンストに迫力負けした女は諦めたとばかりに重い口を開いた。
女の名はアメリーと言い、最近ゲルフェルト侯爵家に雇われたとのことだ。
侯爵家の執事から小瓶を渡され、『中身を皇妃の食事に入れるように』と言われたこと。また、今回の事は『陛下のご意向である』と言われたことを白状した。
女のあごをつかむと、自分の顔を近づける。
「白状しなくても構わんよ。いずれ身元は分かる。さすればそなたに関わる一族郎党皆殺しだ。何故なら罪状は皇妃暗殺未遂。ただでは済まん」
職務を遂行するエンストの姿にフィーアは驚いた。
屋敷で不愛想にしていても、『皆殺し』などとそんな物騒な言葉を聞いたことがない。
冷徹で鋭い視線を女に向け、情け容赦ないとばかりに話しかけている。
目の前にいるエルンストは明らかに別人だった。
「だがっ」エルンストは女のあごをつかむ手に力を込めた。
「正直に話せば助けてやらないこともない。見たところ、そなたまだ10代であろう。むやみに命を無駄にすることはない」
エルンストに迫力負けした女は諦めたとばかりに重い口を開いた。
女の名はアメリーと言い、最近ゲルフェルト侯爵家に雇われたとのことだ。
侯爵家の執事から小瓶を渡され、『中身を皇妃の食事に入れるように』と言われたこと。また、今回の事は『陛下のご意向である』と言われたことを白状した。