たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
「フィーア」



「カロン様.....」




瞳を開くと白い光が部屋を満たしていた。



「気がついたか」



ここは?どこ?


フィーアのほほに雫が落ちる。


フィーアの伸ばした手はエルンストに握られていた。



「エ....ルンス....ト様...?」



フィーアのうつろな瞳がエルンストの姿を写していた。



「気がついたのだな。良かった」


エルンストの瞳からは一筋の涙が流れている。


それが、フィーアのほほを濡らしていた。
< 240 / 296 >

この作品をシェア

pagetop