たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
────嵐の夜だった。


二つの影はお互いの肌を感じながら重なりあっていた。


唇から漏れる熱い吐息と素肌から伝わる温もり。



何度も何度も重なる唇。


からまる指ですら愛を感じる。


「お前の鎖は、俺が死ぬまで外さない」

フィーアの背中に口づけをする。

奴隷の印である焼印に。

フィーアの熱い涙はベッドを濡らしていた。



白い肌をすべるエルンストの指先がフィーアのからだに熱を帯びさせ、フィーアの爪先はエルンストの背に落ちた。


敏感に感じるからだはエルンストの愛を受け入れる証。


.....ゆっくりとエルンストの熱い想いがフィーアの中、奥深く溶けていく。



深く激しく抱きあい、時々漏らすフィーアの吐息はエルンストを熱く荒々しくさせる。


永遠というものがこの世に存在するのなら、神様いまこの時を止めて下さい。

フィーアは願う。


窓を叩く雨音は二人には聞こえない。


夜の終わりを恐れるように、何度も何度も二人は愛しあった。
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