たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
昨日の嵐がうって変わって翌朝はいい天気だった。
ほとんど休暇を取らないエルンストが、珍しく今日は午後からの登城だと言って午前中は屋敷にいた。
皇妃ゾフィーのことも心配だったが、今は少しでもフィーアのそばにいてやりたかった。
これからまた宮廷闘争に身を投じなければならない。
いつ屋敷に戻れるか分からないのだ。
朝食を済ませると、「今日はユリの手入れを手伝うぞ」そう言って身支度を整えるとフィーアを伴って庭に出ていた。
嵐のせいでほとんどのユリの花が倒れたり、折れたりしている。
作業をしながらエルンストはフィーアに冷めやらぬ瞳を向けてくる。
溶けてしまいそうな熱視線にフィーアは身じろぐ。
「フィーア....」その声はもう一度愛を求めるような甘い声だった。
と、「ご、ご主人様っーーー!!た、大変でございますっ!!」
見つめあう二人の空気ををぶち壊すように、コンラートが髪を乱し慌てて走って来た。
また邪魔する気か。エルンストは舌打ちする。
熱い想いは夜に持ち越しだな。
やれやれとばかりに仕事に忠実な執事に視線を送ると、苦笑いで立ち上がる。
「お前は何故かいつも慌てているじゃないか。今度は何だ?もう歳なんだから、そんなに走るな」
「これがどうして落ち着いていられましょうっ!!」
「うん?その慌てよう、シュタインベルグが我国に攻め込んで来たか?」
「はぁ、はぁ。そのようなご冗談を....はぁ」
肩で息をするコンラート。どうやら余程の事らしい。
「陛下が、皇帝陛下がお越しにございますっ!!」
「何っ?!陛下がっ?!」さすがにエルンストも顔色を変えた。
「すぐにお召し変えを」
「分かった。フィーア手伝え」
片付けもそこそこにエルンストはフィーアを伴って自室へと急いだ。
ほとんど休暇を取らないエルンストが、珍しく今日は午後からの登城だと言って午前中は屋敷にいた。
皇妃ゾフィーのことも心配だったが、今は少しでもフィーアのそばにいてやりたかった。
これからまた宮廷闘争に身を投じなければならない。
いつ屋敷に戻れるか分からないのだ。
朝食を済ませると、「今日はユリの手入れを手伝うぞ」そう言って身支度を整えるとフィーアを伴って庭に出ていた。
嵐のせいでほとんどのユリの花が倒れたり、折れたりしている。
作業をしながらエルンストはフィーアに冷めやらぬ瞳を向けてくる。
溶けてしまいそうな熱視線にフィーアは身じろぐ。
「フィーア....」その声はもう一度愛を求めるような甘い声だった。
と、「ご、ご主人様っーーー!!た、大変でございますっ!!」
見つめあう二人の空気ををぶち壊すように、コンラートが髪を乱し慌てて走って来た。
また邪魔する気か。エルンストは舌打ちする。
熱い想いは夜に持ち越しだな。
やれやれとばかりに仕事に忠実な執事に視線を送ると、苦笑いで立ち上がる。
「お前は何故かいつも慌てているじゃないか。今度は何だ?もう歳なんだから、そんなに走るな」
「これがどうして落ち着いていられましょうっ!!」
「うん?その慌てよう、シュタインベルグが我国に攻め込んで来たか?」
「はぁ、はぁ。そのようなご冗談を....はぁ」
肩で息をするコンラート。どうやら余程の事らしい。
「陛下が、皇帝陛下がお越しにございますっ!!」
「何っ?!陛下がっ?!」さすがにエルンストも顔色を変えた。
「すぐにお召し変えを」
「分かった。フィーア手伝え」
片付けもそこそこにエルンストはフィーアを伴って自室へと急いだ。