たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
────翌朝、エルンストの朝食前に屋敷の使用人が全員エルンスト専用の食堂に集められていた。

何か重大発表があるのでは?皆はソワソワしている。



「まさかご結婚の発表じゃないか?」
コックのハンスはウキウキしている。


「今の今までそんな話聞いてないわよ」
ツンとあきれ顔でルイーズが答える。

「だってもしそうなら、執事長のコンラートさんの態度が変わるもの。
最近のコンラートさんはいつもと変わってないし」


「違いねぇや。あの人は隠し事が出来ないタチだもんな」


「そっ、態度ですぐバレちゃう。周りにバレバレなのに本人は隠せてると思ってるから可笑しいよね」

二人は声をあげて笑う。


「おはようフィーア」

先に食堂に来ていたフィーアを見つけるとルイーズが声をかけてきた。


「おはようルイーズ、ハンスさんも」


「よっ」片手を上げて答えるハンス。

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