たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
フィーアは「よしっ」と気合を入れると、カーテンをシャッと両手で左右に開けた。


!!!!!


エルンストがうつ伏せで枕を抱えるように寝ている。


し、しかも裸でっ!!!


「あわわっ、失礼しましたっ!!」


チカチカする目をギュッと閉じて慌ててカーテンを閉めると、ベッドに背を向ける。


驚きのあまり心臓がドクンドクンと早鐘を打つ。

カーテンからこぼれる朝日に照らされて白く輝く肌がそこにあった。

触ったらきっと絹にも劣らない柔らかさだろうか?

えっ?!私ったら、朝から何をっ?!!不埒な想像を振り払うために頭をブンブン振る。



「あー?」眠そうな声がカーテンの向こうから聞こえてくる。


「ご、ご主人様。朝でございます」バクバクと音を立てて鳴りやまない心臓を押してやっとの思いで声を出す。


すると背後で布ずれの音がして、そして立ち上がる気配。

エルンストに背を向けて棒立ちのフィーアは、もはや緊張を通り越して、頭は真っ白だった。

気がつけば指から血の気が引いていた。
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