たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
フィーアがベーゼンドルフ家の侍女となってから早、数日が経っていた。

今では仕事にも慣れ、


「よぉ、フィーア。今日も綺麗だね」


「ありがとうハンス。お礼に街へのお使いの帰りにお花を摘んできてあてるわ」


「調理場は殺風景でいけねぇよ。頼むぜ」


「あれ?買い物リストに油が書いてないけど、ハンス『油ない』って言ってなかった?」


「ああそうだっ!すっかり忘れちまってたよ。油もよろしくな」


「はーい、行ってきます!」


そんな会話が出来るようになっていた。
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