ダサ倉君に焦がれたい






「僕……興味ないので」



そう言うすばるくんに、



「それなら、野外フェスの間につばさをもらっちゃうよ?」



章司君は楽しそうに告げる。




「朝倉君は友達だけど、つばさは譲れないから」





ちょっと……

どうなってるの?





ぽかーんとするあたしの耳に、女子たちの声が聞こえてくる。





「ダサ倉と塚原君?

そんなの、塚原君に決まってるじゃん!」



「でも、三谷さんはダサ倉選ぶかもよ」





何言ってるの、あたしにはすばるくんしかいないのに。



< 111 / 322 >

この作品をシェア

pagetop