ダサ倉君に焦がれたい
そんなすばるくんは悲しそうで。
すばるくんの気持ちを踏みにじっていたことに気付く。
あたし、なに考えていたんだろう。
彼氏がいるのに、男の子と二人で野外フェスなんていけないよね。
例え、章司君が本気じゃないとしても。
「ごめん……野外フェスは断るよ。
すばるくんを見たかったけど」
そう言ったあたしに、
「分かった。三人で行こう」
すばるくんは静かに告げる。
「僕たちの番の時だけ抜けるから」
その言葉が信じられない。
すばるくん、そんなこと出来るの?
sandのライブが待っているというのに、あたしたちと他のバンド見ていていいの?
そう聞いてもすばるくんは、大丈夫ですとしか答えなかった。
あたしたち……
どうなってしまうんだろう。