ダサ倉君に焦がれたい





すばるくんは顔を上げ、あたしをまじまじと見た。

分厚い眼鏡で表情は分からないが、どきんとする。

ダサ倉君でもこんなにドキドキするんだ。

かっこいいすばるくんだったら、また酸欠になっているに違いない。






「つばさちゃんが嫌じゃないなら、僕はこのままでいいんです」




すばるくんはぼそっと言う。




「誰も寄ってこないし、気楽ですから」






そうなの?

すばるくんがダサ倉のほうがいいなら、あたしはそれでいいんだけど……

確かに誰も寄って来ないけど、友達だって出来ないでしょ?



< 140 / 322 >

この作品をシェア

pagetop