ダサ倉君に焦がれたい
こんな様子で今日の授業も終わり、あたしはすばるくんと学校を出る。
章司君はテニスサークルがあるとどこかに行ってしまった。
なんだかんだで大学生を楽しんでいる章司君。
誰にも嫌われることもなく、すばるくんやあたしとも仲良くしてくれる。
そんな章司君が羨ましかった。
そして……
「時々いますよね。
章司君みたいに器用な人」
すばるくんはぽつりと言う。
その言葉ににやけてしまった。
塚原君から章司君になっていたから。
すばるくんは章司君を面倒がっているけど、心の奥底では好きなんだと思って。