ダサ倉君に焦がれたい
10. その笑顔が見たい
どのくらい、エレベーターの前に突っ立っていたんだろう。
みんな、神妙な面持ちをしていた。
すばるくんがsandにいて欲しいという思いをひしひしと感じた。
「仕方ねぇ。しらみつぶしに行くか?」
「……だな。オフィス一つ一つ回るか」
そう言うメンバーの言葉にあたしも従おうと思った。
正直、sandの三人とあたしがいること自体間違っていると思う。
でも……
sandをやめないで欲しいという気持ちは同じだから。
あたしだけ帰るなんてことはしたくなかったのだ。
「つばさちゃん、ごめんな付き合わせて」
圭吾さんは心底申し訳なさそうに言うが、あたしは嬉しかった。
こうやって、すばるくんのことを教えてくれて。
そして、あたしのことを受け入れてくれて。