ダサ倉君に焦がれたい
sandのことを考えながら、学校についた。
sandのことを考えながら、席に座った。
そんなあたしの後ろから、女子たちの声が聞こえる。
「sandってかっこいいよね!」
「歌もいいし、SUとJUNがかっこよかった!」
ここでもsandの風が吹いているのか。
そんなことを考えながら、教科書とノートを広げる。
そして……
「うわっ!ダサ倉だ」
またしても、ひそひそ話が聞こえてきた。
「ダサ倉、また三谷さんの隣に行くよ?」
「三谷さんのこと、狙ってるんじゃない?」
その言葉に、顔が真っ赤になる。
相手が朝倉君だと言うのに、胸がドキドキして止まらないんだ。
「三谷さん、おはようございます」
朝倉君はあたしの隣に座り、小さな弱々しい声で告げる。
消えてしまいそうな声だったけど……
どくんとした。
だって……
少しハスキーで癖のあるその声は、やっぱりSUの声だったから。