ダサ倉君に焦がれたい
「なにこれ。ギャグ?」
努めて平静を装う。
こんなものに惑わされないと思って。
こんなものが気になっていたら、SUの彼女なんて出来ないでしょ?
必死にそう言い聞かせるが……
やっぱり胸がズキンとする。
だって……
すばるくんの彼女はあたしだもん。
彼女いないなんて嘘だもん。
あたしはデートにフェミニンなワンピースを着ていったし、ヒールのある靴を履いていったし!
何よりお洒落なイタリアンなんて入ったことないし、僕の家になんて泊めてくれない!
その現実に愕然とした。
そして、このモデルのほうがタイプなのかと思えるほど、彼の顔は優しく楽しそうで。
胸が張り裂けそうになった。