ダサ倉君に焦がれたい






「すばるがいないなら、俺とつばさちゃんの二人で行く?

リーダーの俺が許可するよ」





ちょっと待って!

なんでそうなるの!?

博明さんがあたしに興味がないことくらい分かるけど……

テレビにも出るような有名人だから舞い上がってしまうけど……

二人でご飯はさすがに駄目だよね。






戸惑っているあたしの後ろから、



「つばさちゃん、ちゃんと断ってよ」



あたしを傷つける声が聞こえた。




あたしの心はガンガンと叩かれたのに、胸がきゅんきゅんしてしまう。

あたしだけなのかな、こんなにもすばるくんに振り回されているの。






すばるくんを見ることも出来ず、俯くあたし。




「博明もつばさちゃんをからかわないで」




そんなことを言うすばるくんにイラっとして。




「からかってるのはすばるくんでしょ?」




俯いたまま告げる。




「博明さんとお洒落なイタリアンにでも行けば!?」




あたしは吐き捨てて逃げるようにその場を去った。



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