ダサ倉君に焦がれたい






唇を離したあたしの頰を、一筋の涙が流れる。





「すばるくん……今までありがとう」




そう告げたあたしに……




「別れないから」




すばるくんが掠れた声で言う。

そして……

そのダサ眼鏡を外した。




眼鏡の奥の瞳は、あたしの大好きな切れ長の瞳。

いつもは甘く優しいのに、冷たい瞳で早瀬純を見ていた。

まるで、氷のような瞳だった。






「君……何がしたいの?」




凍るような声で早瀬純に言う。

すばるくんらしくない、怒りに満ちた声だった。

それなのに、早瀬純は口角を上げて笑っている。

この人……相当強い!





すばるくんは早瀬純を睨みながら……

衝撃的なことを吐いた。





「つばさちゃんで遊ばないでくれる?

ふざけたことをしてるなら、さっさとリハするよ」



「……え?」



「君がそれ以上続けるなら、尻の穴にマイク突っ込むよ?」



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