ダサ倉君に焦がれたい
そして、待ち合わせ場所のビルに着くと……
人だかりが出来ていた。
まさか……
まさかね……
そう思ったが……
「ぷっ。あの人だせー」
「誰と待ち合わせしてるんだろ。
ホームレス?」
そんな声が聞こえてきた。
それで悟ってしまった。
あたしに声をかけてきたのは、
「つつつばさちゃん!」
かっこいいSUじゃなくて、ダサ倉だった。
ここでかっこいいすばるくんが出てきたら、あたしは真っ赤になってひっくり返っていたかもしれない。
見惚れて何も出来なくなるから、ダサ倉くらいがちょうどいい。
周りの人が何と言おうが、あたしには関係ないんだから。
「あの人彼女?」
興味の目で見られることなんて気にならなくて。
「すばるくん、お待たせ」
すばるくんを見て笑顔を作った。