ダサ倉君に焦がれたい
すばるくんは相変わらずぼそぼそと話す。
「僕は思っていることを、つばさちゃんに言いませんでした。
つばさちゃんに嫌われるとか、引かれるとか思って。
でも、やっぱり言います。
ダサ倉はキモいと言われても、しっかり伝えます」
そう言って……
すばるくんは眼鏡を取った。
眼鏡で隠れていた切れ長の瞳にどきんとする。
その瞳は、甘く切なくあたしを捉えて離さない。
まるで、金縛りにあったように身動き出来なかった。
すばるくんに見惚れてしまって。
そんなあたしの手に、すばるくんはそっと触れた。
そして、甘く優しく指を絡める。
いけないって分かっていても、胸が甘くときめいてしまう。
今はすばるくんに流されちゃいけないのに。