ダサ倉君に焦がれたい





あたしはひたすらすばるくんの言葉に頷いていた。

きっと、今のすばるくんは嘘なんてついていない。

そして、すばるくんの話をもっと聞きたいと思ってしまう。

あの雑誌のせいで、すごくショックを受けたのに。

すばるくんの言葉を聞いたら、そのショックだって和らいでしまいそうだ。






「どんな綺麗な人より、僕はつばさちゃんがいいんだ」




あたしはすばるくんを見上げる。





いつものボサボサの髪だが、眼鏡を取ったその顔はすごく綺麗。

切れ長の瞳が細くなり、口元が優しく上がっている。

こんな素敵なすばるくん、誰にも見られたくないよ。

あたしだって、どんどん好きになっているんだから。



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