ダサ倉君に焦がれたい
「ごめんなさい、つばさちゃん。
こんな遠い海に連れてきて、僕の創作活動をして終わったなんて」
帰り道、電車の中ですばるくんは意気消沈していた。
そんなすばるくんにううんと首を振る。
「すばるくんとゆっくり話が出来て良かった」
「つばさちゃん……」
見つめ合うあたしたちを見て、周りの人はやっぱり変な顔をした。
「あの男キモい」
とか、
「変な人だよ?目合わせないように」
とか。
そんな扱いにはすっかり慣れっこで、視界の外に出してやる。
そして、大好きなすばるくんを見上げた。