ダサ倉君に焦がれたい
そして……
そのライブが始まった。
まばゆいステージに立つ四人。
最近どこでも耳にするその旋律が流れ始めると、
「えっ!?sand?」
会場がどよめく。
そんな中……
あたしはやっぱり彼に釘付けになる。
爽やかな笑顔を浮かべて会場を見回し、慣れた手つきでギターを弾き、胸をがくがく揺さぶる歌を歌うんだ。
あたしの全ては彼に持っていかれて、立っているのがやっと。
集まっているのはsandのファンじゃないのに、みんな虜になっていて。
「きゃー!SUかっこいい!!」
なんて声が響く。
そんな悲鳴が飛び交う中、あたしはひたすら胸を押さえて、あなただけを見ていたんだ。