ダサ倉君に焦がれたい







そして……






そのライブが始まった。

まばゆいステージに立つ四人。

最近どこでも耳にするその旋律が流れ始めると、



「えっ!?sand?」



会場がどよめく。



そんな中……



あたしはやっぱり彼に釘付けになる。




爽やかな笑顔を浮かべて会場を見回し、慣れた手つきでギターを弾き、胸をがくがく揺さぶる歌を歌うんだ。

あたしの全ては彼に持っていかれて、立っているのがやっと。






集まっているのはsandのファンじゃないのに、みんな虜になっていて。



「きゃー!SUかっこいい!!」



なんて声が響く。

そんな悲鳴が飛び交う中、あたしはひたすら胸を押さえて、あなただけを見ていたんだ。



< 257 / 322 >

この作品をシェア

pagetop