ダサ倉君に焦がれたい
「あいつになんて全く興味ないけど、最近のすばるは楽しそうだし」
「……え?」
「ようやく、それらしい恋愛の曲を書き始めたし」
洵さんはその綺麗な腕を組んで楽しそうにあたしを見た。
美人な洵さんに見られると、やっぱりどきんとしてしまう。
あたしもこんなに美しくなれればなぁ。
それにしても、すばるくんが恋愛の曲を書き始めたなんて。
「今までも恋愛の曲はあったんですよね?」
あたしの言葉に、洵さんは目を細める。
「ま、すばるも恋してた時期はあっただろうから。
興味ないから全く知らないけど」
最後の一言は余分だ。
なんてことは言えず、洵さんの話に聞き入ってしまう。