ダサ倉君に焦がれたい
多忙なすばるくんだから、仕方ないと分かっている。
退学しても、機会は少なくなるとはいえ、全く会えなくなる訳じゃないんだから。
でも……
こうやって隣で授業を受けて、図書館に行って。
そんな時間には、ただの彼氏彼女になれた気がして嬉しかったんだ。
「……章司君。
つばさちゃん、いじめられないように見張っててね!」
最後まであたしを気にしてくれているんだから。
かっこいいSUだけど、あたしだけのすばるくんなんだから!
涙の跡を拭く隙も与えず、すばるくんは笑顔で手を振って、教室から出て行った。
あたしは、すばるくんが消えた扉をずっと見ていた。