ダサ倉君に焦がれたい
だけど、次の授業もその次の授業も、すばるくんの代返は続く。
時には、当てられたりもしたのに、すばるくんになりきってやり過ごしていて。
「章司君……あの人たち、何やってるの?」
思わず聞いてしまった。
代返しても、すばるくんが帰ってくるはずないのに。
そう思うと、余計に胸が痛む。
すばるくんは、本当にいなくなってしまうのかもしれない。
「うーん……馬鹿としか思えないよね」
章司君も複雑な顔をしていたが……
どうやらあたしたちの会話が聞こえたらしく、
「俺たちは、ダサ倉が帰ってくる場所を作っているだけだ」
彼らはあたしに言う。