ダサ倉君に焦がれたい







だけど、次の授業もその次の授業も、すばるくんの代返は続く。

時には、当てられたりもしたのに、すばるくんになりきってやり過ごしていて。





「章司君……あの人たち、何やってるの?」




思わず聞いてしまった。




代返しても、すばるくんが帰ってくるはずないのに。

そう思うと、余計に胸が痛む。

すばるくんは、本当にいなくなってしまうのかもしれない。





「うーん……馬鹿としか思えないよね」




章司君も複雑な顔をしていたが……

どうやらあたしたちの会話が聞こえたらしく、



「俺たちは、ダサ倉が帰ってくる場所を作っているだけだ」



彼らはあたしに言う。


< 289 / 322 >

この作品をシェア

pagetop