ダサ倉君に焦がれたい
朝倉君のことを考えると、胸がきゅんと甘い音を立てた。
朝倉君みたいな凄い人が、あたしなんかを好きになるはずないのに。
それなのに、あたしは叶わぬ片思いをしている。
テレビが切り替わり、ライブ映像となる。
聴いたことのある、耳から離れない旋律がテレビから流れ出てくる。
爽やかで、どこか切なくて。
そして……凛として、少しハスキーなその歌声が響く。
心を打ち震わせて、涙腺を緩ませて……
あたし、もうこんなに虜になっているんだ。
朝倉君のことを考えて止まない。