ダサ倉君に焦がれたい
19. あなたに焦がれたい
次の日……
すばるくんは宣言通り学校に来た。
いつものダサ倉スタイルで。
すばるくんが教室の扉を開いた瞬間、騒がしかった室内が静かになる。
そして、教室中の視線を集めた。
「ダサ倉が来た」
なんて言う人は誰もいなかった。
すばるくんを馬鹿にしていた女子たちは、顔を赤めてすばるくんを見ている。
すばるくんがSUと分かった瞬間にこの変わり様だ。
女子って怖い!
そんな、教室の興味の目を打ち破るように、
「すばるくん、おはよう」
笑顔で挨拶をする。
すばるくんはあたしを見て、少しだけにこっとしてくれた。
その眼鏡で表情は分からないけど、胸がきゅんとする。
すばるくんと過ごす日常が戻ってきたと思うとすごく嬉しい。