ダサ倉君に焦がれたい
3. あなたに助けられたい
今まで気付かなかった。
だけど、至るところにsandがいる。
携帯電話のCM。
街の広告。
雑誌。
あたしの胸を焦がす彼が甘い瞳でこっちを見ていて、彼と目が合うたびに身体がきゅんと甘く鳴く。
SU……いや、朝倉君が気になって仕方がない。
ぼーっと授業を受けていた。
ノートを取るのがやっとで、朝倉君のことばかりが頭の中を流れる。
今日は朝倉君、来ていないな。
やっぱりsandが忙しいんだろう。
朝倉君は今、何をやってるのかな。
どんな仕事をしているのかな。
そんなことばかり考えていた。