ダサ倉君に焦がれたい
やがて授業が終わり、教室が騒がしくなる。
女子たちはお洒落な話やバイトの話に花を咲かせていて、やっぱり羨ましいななんて思った。
華の学生生活なのに、友達すらいない。
だけど……友達を作るために、朝倉君を馬鹿にするのは許せないのだ。
教科書をまとめて立ち上がろうとしたあたしの耳に、女子たちの声が聞こえてくる。
「合コン、どうしても一人足りないよね」
「誰誘おう?」
合コンか……
ぼっちのあたしには無縁だろうな。
そう思ったが……
「三谷さんは?」
思わぬ声が聞こえる。
「でも三谷さんにはダサ倉がいるでしょ?」
あたしは思わず振り向いていた。
すると、女子たちはあたしを見て、気まずそうに笑う。