ダサ倉君に焦がれたい







こんな訳で、大学入学早々あたしは孤立した。

理由は、ダサ倉に関わっている、変な女子だから。

みんなはダサ倉に関わりたくないのと同様、あたしとも関わりたくないようだ。






授業を終え、立ち上がるあたし。

周りの女子たちは、合コンとかバイトだとか、リア充の話で盛り上がっている。

そんな中、あたしは一人で教室を出た。




あー……

こんなことになるなら、ダサ倉に教科書なんて見せなかったらよかった。

憧れの大学生活が始まったばかりだというのに、早速孤立してしまったよ。




人の目を避けるように校舎の影に入った時……




「三谷さん」




聞き慣れない声に呼ばれた。

思わず振り返った先にいたのは……



「ダサ……じゃなくて……朝倉君」



だったのだ。


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