ダサ倉君に焦がれたい





「圭吾さんはダメダメだけど、俺はSUが好きなんだ」





身体が固まる。

あたしがドキドキしてしまって、朝倉君を見られない。





「SUの作った曲が好きだし、あの歌声が好き。

新曲のCDも買っちゃったよ」



「そうなんだ……」




苦し紛れに答えたあたしに、章司君は言う。




「ねぇ、つばさもsand好き?」





その言葉に頷く。



あたしも……

もう、大ファンだから。

初めて行ったあのライブで、ぐいぐいやられたから。





章司君はあたしを見て笑う。

そして、言った。




「じゃ、次のライブはつばさも一緒に行こうよ」



「……えぇ!?」


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