ダサ倉君に焦がれたい
なんでそうなるの?
もちろんライブは行きたいけど、章司君と二人でなんて!
あたしには朝倉君がいる。
だけど、朝倉君とは付き合っているわけでもない。
あたし……どうしたらいいの?
ちらりと朝倉君を見る。
朝倉君は無表情で、きっとあたしが章司君とライブに行こうが気にならないのだろう。
それを実感すると、一人で焦っていた自分が愚かになる。
「ライブ、楽しみだね」
あたしは笑顔で章司君に言った。