ダサ倉君に焦がれたい
6. 彼女になりたい
次の日……
あたしは、朝倉君に言われた待ち合わせ場所に向かう。
期待しちゃ駄目だと分かっているが、やっぱりドキドキしてしまう。
何度も服を着てファッションショーをして、ようやく決まった服。
それは、ジャケットに花柄のワンピースだった。
あたしがどれだけ力を入れても朝倉君には関係ない。
朝倉君はかっこいいし、本気を出せばどんな女性だって引っかかるだろう。
それでもやっぱり少しでも可愛く見せたいなんて思ってしまって。
緊張しながら待ち合わせ場所のビルの前に立った。
そんなあたしの前をたくさんのカップルが仲良く歩いていく。
手を繋いだり、肩を寄せ合ったり。
あたしも朝倉君とああやって歩けたらどれだけ幸せだろうなんて、甘い妄想に酔った。
きっと、朝倉君はいつもの服装で来る。
そして、変な意味で注目を集めてしまう。
そんな朝倉君でもいい。
一緒にいて、幸せを噛み締めたいんだ。