ダサ倉君に焦がれたい
あたしの甘い妄想は、
「つばさちゃん、ごめん!
用事が長引いてしまって!」
大好きなその声に掻き消された。
少しハスキーで耳に甘く響く声。
その声を聞くだけで、胸がきゅんと音を立てる。
そんな彼を、人はざわざわとして見ていた。
きっと「ダサ倉君」がいるからだ。
みんな、関わりたくないって噂してるんだ。
「ダサ倉君」を見る人々の反応にいい加減慣れてきたあたし。
人がどんな反応をしようと、あたしには関係ないんだから!
「ううん、あたしも今来たところ」
そう振り返った先を見て……
あたしは倒れそうになった。
だって……
「SUがいるよ」
「超かっこいい」
人々はそう噂していたから。